中国古典ファンタジーがCGで生まれ変わり空前絶後の大ヒット!『哪吒之魔童降世』

中国古典ファンタジーがCGで生まれ変わり空前絶後の大ヒット!『哪吒之魔童降世』

※全ての画像はWeibo公式ブログ电影哪吒之魔童降世より引用しています。

 

先日、ライオンキングの世界的ヒットについてお知らせしましたが、中国でも今夏CGアニメーション映画が空前絶後の大ヒットをしているというニュースが入ってきました。

 

なんとその作品はライオンキングよりも興行収入を上げ、中国のアニメーション映画としては史上最高の記録を樹立したというのです。その興行収入は2019年7月26日の公開わずか3日間で6億元(日本円で約90億5千万円)にも達し、更に記録を伸ばし続けているそうです。

 

作品名は『哪吒之魔童降世』。

▲『哪吒之魔童降世』予告ムービー

 

あらすじ:神様の命をうけ、仙人の太乙真人は人間界を救う救世主として生まれるよう李靖夫婦に「霊珠」を託した。しかし、ふとした過ちから「霊珠」が「魔丸」へすり替わってしまい、夫婦の赤子は「魔童」として誕生してしまった。哪吒と名付けられたその子供は世間の偏見の眼にさらされることに。果たして哪吒は悪逆非道の殷の王「紂王」に苦しめられる人々を救うことができるのか。数奇な運命を背負った少年の成長の物語。

主人公の哪吒は、少年ジャンプに連載されていた『封神演義』(作者:藤崎竜)にも登場していた中国で人気の神様です。作品中には、他にも太乙真人など封神演義と重なるキャラクターが多く登場しますので、日本人でも馴染み深いストーリーかもしれません。

 

■Mayaに魅せられた餃子監督、中国のアニメーション業界の目標は

誰もがヒットを予想していなかった、この作品の監督の名前は餃子(ぎょうざ)監督といいます。彼は少々変わった経歴の持ち主です。両親とも医師の家系に生まれた彼には当然医学への道が望まれていました。しかし、高校3年生のある日、彼はMayaに出会い、新しい世界を見てしまったのです。そして彼は《打,打个大西瓜》という約16分の作品を作りました。その作品はすでに非凡な才能にあふれていたのです。そこで映画作りの基礎を身につけたといいます。

 

この映画にはたくさんのアニメーション制作会社が関わっています。しかしがながら餃子監督は中国のアニメーション産業のプロセスには不完全であると感じたそうです。その理由にソフトウェアが統一されていないこと、クリエイターのレベルが不均一であることを問題点として挙げています。監督は中国のアニメをもっと活性化しアニメーターに誇りをもってもらいたいという目標があるそうです。

 

今回の成功はその目標に近づく大きな一歩になったに違いありません。

参照:https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_4021473

 

▲誰もが知る古典的な物語のため、キャラクターにはかなり試行錯誤を重ねたそうです。こちらと同じようなキャラクター原案が100枚はあるとのこと。

▲子供時代の哪吒。柔らかなタッチの3等身のキャラクター。目のクマがパンダを感じさせる、中国らしさ満載のキュートさですね。

▲壮大なスケールを感じさせるキービジュアルです。背景に小さく描かれたのは、やはり成長した哪吒でしょうか。

 

■CGの技術向上が映画業界に新しい風を生み出す力に

中国メディアは、ヒットの裏に制作プロダクションの技術の向上があるとみています。また今回のヒットによって自国の文化の深いリスペクトやニーズが視聴者にあり、これまでハリウッド風の映画が多かった中国映画業界が大きな転換期を迎えるだろうと予測しています。

 

ディズニーのライオンキングしかり、CGの技術向上によって古典的な物語が次々と生まれ変わり再び愛されるようになるのは私たちクリエイターにとっても、よろこばしい話ではないでしょうか。中国生まれの素晴らしいCG映画『哪吒之魔童降世』、日本上陸の日を待ちましょう!

 

参照:https://shanghai.ist/2019/08/05/nezha-becomes-chinas-highest-grossing-animated-film-of-all-time/