▲支援企業の1つ、Ubisoft開発アクション アドベンチャーゲーム「Watch Dogs: Legion」
■BLENDER DEVELOPMENT FUNDにクリエイティブ業界からの支援続々
Blender 2.8の正式版リリースが待たれる中(2019/7/31 Blender 2.80が正式にダウンロード可能となりました。)、blenderは公式のディベロッパーブログで基金が倍増したことを報告しました。
■Blender 2.80正式版リリースしました。
2019年7月31日の日本時間午前0:57 にBlenderは2.80正式版がダウンロード可能となったことを発表いたしました。感謝の言葉と共に発表されたこのニュース。まさに様々な企業・個人の力が結集して得られた結果でしょう。是非、お試しください。
Blender 2.80 is officially available for download! Thank you for making this possible. #b3dhttps://t.co/2pbfo82LZihttps://t.co/C4jHvSeLZM
— Blender (@blender_org) July 30, 2019
Blender 2.8の機能を使ったデモ
▲Tiger - Blender 2.80 demo by Daniel Bystedt
▲Grease Pencil Sketching - Blender 2.80 demo by Jama Jurabaev
Blenderにとって大きな追い風となったのがゲーム、アニメなどのクリエイティブ業界からの支援です。最初は数々の人気ゲームが採用している『Unreal Engine』の開発元であるEpic Games が120万ドルの財政支援を行うと名乗りを上げました。
続いて『アサシンクリード』シリーズで知られるUbisoftのアニメーション映画を専門とするUbisoft Film&TelevisionにおいてBlenderをメインのデジタルコンテンツ作成(DCC)ツールとして採用すること決定、コーポレートゴールドメンバーとして開発を支援することを約束しました。
日本でもエヴァンゲリオン監督の庵野秀明監督が代表取締役を務めるアニメーション制作会社の株式会社カラーと、子会社のCGアニメーション特化の株式会社プロジェクトスタジオQがコーポレートメンバーとして支援を約束しています。
The Japanese Anime studios Khara and its child company Project Studio Q sign up as Corporate Silver and Bronze members of Development Fund. They're working on the Evangelion feature animation movie. https://t.co/HyupFnOcfo https://t.co/mA5nTiaz8E #b3d
— Blender (@blender_org) July 24, 2019
今回支援を決定し、またツールとして正式採用を決めたUbisoft Animation StudioのプロダクションヘッドであるPierrot Jacquet氏はこのように語ります。
「Ubisoft はゲームで最高品質であるAAAの作品を生み出し続けることをユーザーは当然期待しています。同様にUbisoft である以上私たちもアニメシリーズと映画でAAAの作品を配信する必要がありました。そのために取り掛かったのが、スタジオの基礎を再考することです。
まずは社内のデジタルコンテンツ作成ツールをBlenderに置き換えることにしました。ニーズに合わせ社内で開発したツールに対しBlenderは柔軟に対応することが可能だからです。
Blender 2.8の正式版リリースはCGI業界にとって大きな変化となるでしょう。特に2.8で改良されたUX、Grease Pencil、EEVEEリアルタイムレンダリングは多くの私たちクリエイターに支持されると確信しました。
Blender Foundationと私たちUbisoftの目標は一致しています。急速に進化しているBlenderのような成熟したオープンソースソフトウェアがあれば私たちはいつでも貢献する準備はできています。」
参照:UBISOFT JOINS BLENDER DEVELOPMENT FUND TO SUPPORT OPEN SOURCE ANIMATION
前回、極上のCG映画『ディリリとパリの時間旅行』 Blenderでベル・エポック期のパリが蘇る!でミッシェル・オスロ監督がBlenderを採用したことを取り上げさせていただきました。
一つのプロジェクトに複数の制作会社が携わるクリエイティブ業界にとってオープンソースという開発環境が非常にマッチングしていることに加え、ユーザーのニーズに応え続け改良を重ね続けたことがBlenderの成功した要因でしょう。
多くの企業やクリエイターが応援する愛されたDCCツール、Blender。バージョン 2.8以降もさらなる機能追加に期待が持てますね。制作現場のスタンダードとなる日も近いのかもしれません。
※記事中の写真や諸情報はプレスリリース、制作会社の公式HPより引用しています。
※引用元プレスリリース (https://code.blender.org/2019/07/development-fund-report-july-2019/?utm_source=www-homepage)