© 2018 NORD-OUEST FILMS – STUDIO O – ARTE FRANCE CINEMA – MARS FILMS – WILD BUNCH – MAC GUFF LIGNE – ARTEMIS PRODUCTIONS – SENATOR FILM PRODUKTION
■フランスアニメ界の巨匠ミッシェル・オスロ監督の新作が日本に!
1998年には初の長編映画『キリクと魔女』が大ヒットし、広く世界に知られるようになったミッシェル・オスロ監督。この度、2019年8月下旬に邦題『ディリリとパリの時間旅行』として、全国ロードショー公開が決定しました。
■資金調達の困難を乗り越え、成功の秘訣は「Blender」
独特の鮮やかな色使い、作品にマッチングした個性的な音楽で日本人のファンも多いミッシェル・オスロ監督ですが、今回の映画に関しては大きな困難に見舞われました。今回の映画の作品のテーマのひとつである女性が闘うことを表現するために虐待・少女の拉致をするシーンがストーリーに含まれており、そのことについて抗議する動きが起きたのです。
そのため、資金調達が容易ではなく今回の予算は長編の映画にも関わらず800万ユーロ。関係者はアズールとアスマール(2006年)のような完全に3D化した作品の制作は不可能と考えられていました。
▼公式のPV:Dilili à Paris - de Michel Ocelot - Teaser
しかしながら、今回のプロジェクトの救世主となったのがフリーのDCCツールであるBlenderです。
MayaのファイルをBlenderの3D空間でも直接アクセスできるような仕組みを開発したことによって、小さな制作会社であっても大手しかできなかった作業を分業できるようになり、効率的なパイプラインを生み出すことに成功。大幅な工数短縮につなげることができたといいます。ミッシェル・オスロ監督は「通常は数年かかる映画製作において、今回のパイプラインは新しい可能性の発見。フリーソフトウエアは大変興味深い」と語りました。75歳になるミッシェル・オスロ監督ですが、新しいソフトや手法を取り入れ困難を乗り越える柔軟さに驚かされます。
今後も見たこともないような素晴らしい作品を生み出し続けてくれるに違いありません。
参照:http://www.mediakwest.com/production/item/mk28-dilili-un-ovni-a-paris.html
▼制作会社MacGuffによるメイキングムービー
■『ディリリとパリの時間旅行』
あらすじ:1900年、世界博覧会のためにパリにやって来たカナック(ニューカレドニアの先住民族)の女の子ディリリ。パリでは連続する少女の誘拐事件が続いていていました。町を自分の家のように知っている配達員の友人の力を借りて、ディリリは事件を調べることになります。ベル・エポックの偉大な芸術家や有名人と出会い、パリ中をめぐる冒険。彼女は謎を解き明かすことができるのでしょうか。
●見どころ1 フィルムの中で蘇るベル・エポック黎明期のパリ
映画の舞台は19世紀末、絵画や音楽、数多の芸術が開花し最も美しく華やかだったといわれるベル・エポックのパリ。ヒロインの少女が出会う人物はマティスやピカソ、ルノワール、モネ、ドガ、ブランクーシ、ドビュッシーなどカルチャーの礎的存在。クリエイターにとっては、原点回帰できる作品ともいえるでしょう。
●見どころ2 映画を鮮やかに彩る美しいジュエリーとファッション
女性がコルセットをやめ、自由にファッションを楽しむことを始めたといわれる時代。なかでも一際目を引くのがアクセサリーです。画像の主人公ディリリを救うソプラノ歌手エマが身に着けている美しいクリップは、ダイヤモンドがふんだんに使われているジュエリーブランド『ヴァン クリーフ&アーペル』に実際にあるコレクションのもの。
ロングガウンや壮麗なシャポーをまとった女性たちなど当時のパリのファッションについても繊細に描写されています。
フロ ド リュバン クリップ、1937年 プラチナ、ダイヤモンド ヴァン クリーフ&アーペル コレクション Patrick Gries© Van Cleef & Arpel
▼『ディリリとパリの時間旅行』(Dilili in Paris)に登場するヴァン クリーフ&アーペルのファサード
ヴァンドーム広場に建つヴァン クリーフ&アーペル ブティックも、細部にわたって再現され、夢のような舞台の一部として登場します。ただし作中での場所は、創業当時から現在まで変わらずに建つ22番地ではなく、監督の遊び心からロワイヤル通りに。
■公開情報:
2019年8月24日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか、全国順次公開予定
■ミッシェル・オスロ監督について:
仏コートダジュールに生まれたミッシェル・オスロは、幼少期をギニアで過ごした後、ロワール渓谷で育ち、その後、パリへ移りました。人生をアニメーション映画制作に捧げる彼は、すべての作品で自ら脚本とグラフィックを手掛けています。
多くの短編映画のなかでも、『The 3 Inventors(3人の発明家)』は 1980年に英国アカデミー賞アニメ映画賞を受賞。その後、『The Legend of the Poor Hunchback(哀れなせむし男の伝説)』は1983年にフランスのセザール賞短編アニメーション映画賞受賞。
1998年には初の長編映画『キリクと魔女』が大ヒットし、広く世界に知られるようになります。その後も切り絵アニメーションを用いた影絵のおとぎ話『プリンス & プリンセス』や、ベネディクト・ガルプと共同監督した『Kirikou and the Wild Beasts(キリクと魔女2 4つのちっちゃな大冒険)』を発表。長編4作目となった『アズールとアスマール』(2006年)は、地中海の両岸を舞台にしたおとぎ話で、カンヌ映画祭の監督週間上映作品にも選ばれました。2008年末には、キリク シリーズ以前の作品を集めた短編映画のコンピレーションDVD『The Hidden Treasures of Michel Ocelot(ミッシェル・オスロの隠された財宝)』もリリース。
2011年7月、自身初の3D作品となった影絵映画『夜のとばりの物語』を発表し、第61回ベルリン映画祭のコンペティション部門で唯一のフランス長編映画に選出。2012年には、キリクシリーズの最新作として『キリク 男と女』を発表など精力的に制作を続けている。
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※引用元プレスリリース (https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000023106.html)