3Dのモデル作成には多様な方法がありますが、中でも主流になりつつあるのはクレイをこねるように作る『ZBrush』に代表される『スカルプトモデリング』という手法でしょう。
そこで基本に立ち返って実際にクレイモデル(粘土)を使ったトレーニング方法で感性を高めるのはいかがでしょうか。
▼クレイモデルか、CGなのか見分けがつかない、すごい作品を作る人も(Naoto OzakiさんのTwitterより)
撮影途中、紙の反射具合が面白いなぁ#クレイモデル pic.twitter.com/yNk4BS8OLL
— Naoto Ozaki (@NaotoOzaki519) 2018年7月21日
感性の再現こそクレイモデルの利点
優秀な3D描画のソフトウェアが数多あり、モデリングの世界ではデジタル化が当然だという昨今。
自動車メーカーの老舗、マツダでは自社のカーデザインを『魂動デザイン』と呼び、他メーカーとの差別化を行っています。 その手法の根幹となるのが『クレイモデル』を使った手作業でのデザインの提案です。
人間だからこそ、なし得る仕事
あらゆる視点からデザインを確認できる3D描画のソフトウェア。三次元の造形を自動で削り出す加工機械。車のモデリングの世界でもデジタル化はどんどん進んでいます。しかし、感性を立体にするクリエイティブな作業は、機械に肩代わりしてもらうことはできません。
「少なくともマツダデザインでクレイモデラーが消えることはない」と野﨑さんは断言します。そこには、人間の手でしかなし得ない仕事をやってのけている自信が垣間見えました。マツダの『魂動デザイン』は、デザイナーとクレイモデラーがイメージをぶつけ合って作り上げる、血の通った車づくりの象徴なのです。
引用:【マツダの匠】 クレイモデラーの情熱に迫る(前編)より
マツダデザイン:魂を生み出す技 Mazda Official Web
※ちなみにマツダ本社敷地内にある「マツダミュージアム」(要予約)では車実物台のクレイモデルを見ることができます。
© Mazda Motor Corporation All Rights Reserved.
平面のアイデアを立体的に造形するときにクレイ(特殊な粘土)で、4分の1モデル、そして1分の1モデルを繰り返し作成し、デザイナーとクレイモデラーで議論しあう体制。コストも時間もかかりそうですが、「感性」だけは機械に肩代わりしてもらうことはできないと考えるためだそう。
このように、一流のメーカーでもモデリングしたい素材の『空気感』『質量』などはモニターの中だけでは確認できないものです。実際に手を動かすことがいかに重要か、お分かりいただけたのではないでしょうか。
クレイモデル作成に適した粘土は……
インダストリアルクレイは熱によって固まる性質を持っており、何度もやり直したりするような作業にピッタリの粘土です。
具体的には専用のクレイオーブンなどでクレイ自体を芯まで加温してから使用します。クレイの種類によりますが45~60°C前後で軟らかくなり、温まれば中子などへの盛り付け作業を行うことが可能です。冷めればツール類を使って手作業による切削ができます。何度でも自由に盛り付け・切削が行えるのでデザイン変更も容易にでき、また削りクズもクレイシェーパーで再生することが可能です。
●インダストリアルクレイについて
(株式会社トゥールズインターナショナル)
https://www.toolsintl.jp/product/clay.html
学んでみたい方はこちら!
<クレイモデル造形 技能講習会カリキュラム>
●ビギナークラス
簡単な立体を製作しながら、クレイの感触や特性、盛りつけ・切削・面仕上げのポイント、テンプレートやクレイツール、クレイテープの使い方などクレイモデル造形の基礎を、しっかりと体得するコースです。
●中級クラス
基本の立体造形に、二次曲面、三次曲面を加えた幾何形体を製作します。立体の構築手順を確認し無駄を省くことで、短時間で精度高く造形する力が鍛えられるコースです。
●上級クラス
三面図をきちんと読み取りながら、スピーディーに細部までしっかりと仕上げます。立体造形を理解し体得するための要素がいくつも入ったクラスです。
お問い合わせ先
株式会社トゥールズインターナショナル
クレイモデル造形技能講習会
TEL 03-6757-3274(9:30~17:30)土日祝日を除く
workshop2019@tools-mail.com
※記事中の写真や諸情報はプレスリリース、制作会社の公式HPより引用しています。