フォトグラメトリという技術をご存知でしょうか。物体を360°様々な方向から撮影した写真をコンピューターで解析し、3Dモデルを立ち上げる技術で、元は測量や地形調査、史跡保護などの専門的な分野でも使用される技術でしたが昨今はエンターテインメント業界でも使われるようになってきました。
例えば、アニメ『ピアノの森』ではリアルなフィルハーモニーホールを再現するのに使用。ゲーム『バイオハザード7』では実際の人間をモデルにキャラクターメイクに、「FINAL FANTASY XV」ではイグニスが作る料理(特製熟成肉の濃厚シチューは本当に美味しそうでしたね!)と本来の用途を超えユニークな形で導入しています。
大手のアニメ・ゲーム会社がフォトグラメトリを使用するメリット。
それは最初から作れば膨大な時間がかかるような複雑な構造のビルなどの背景であっても、写真をもとに作成するため大幅に制作時間が短縮が可能となること、素材の撮影・ソフトへの取り込みなど技術的なノウハウさえ習得すればヒューマンスキルに頼ることなく、一定のクオリティーを維持できることでしょう。
オープンワールドのゲームが隆盛の昨今、大量のデータを扱うことが増えてきたクリエイティブの現場にまさにうってつけの技術です。今後も続々導入する企業は増えるのではないでしょうか。
そうした時代の波をうけ、フォトグラメトリの技術普及を目的とし『フォトグラメトリ+VRコンテンツ』のコンテストを開催されます!主催は株式会社Psychic VR Labとなり、このコンテストの受賞作は株式会社パルコも共催する「NEWVIEW AWARDS」にエントリーされることが決まっています。
3Dクリエイターとしては間違いなく身に着けておきたいスキルの一つになるフォトグラメトリ。まだ触れてない方は、ぜひこの機会に挑戦してみてはいかがでしょうか。
■フォトグラメトリをこれから始めたい人向けのおすすめのサイト
フォトグラメトリ入門 撮影方法~3Dモデル作成
https://styly.cc/ja/tips/photogrammetry_discont_photogrammetry/
コンテストの開催元である株式会社Psychic VR Labのサイトです。
連載を順に追っていけばハイクオリティーな作品が作れること間違いなし!
Photogrammetryのススメ ~ソフト比較と質感設定~
http://kazukisakamoto.hateblo.jp/entry/2018/03/07/175925
CG Artist 坂本 一樹さんのブログです。実際にソフトを使用した際の感想と画像があり、ツール選びに役立ちます。
作品例/《Emma VR: Painting Life》by wyattroy
https://gallery.styly.cc/wyattroy/f39e5326-895f-11e8-b34d-4783bb2170d0
使用ソフト:Reality Capture(スキャニング)、Blender、Unity
海外アーティストの作品。実写の背景をそのまま使うのではなく、油絵のようなタッチで絵画的に表現しています。
■コンテスト概要
Official Site
(英語) https://styly.cc/contest/styly-photogrammetry-award-2019/
(日本語)https://styly.cc/ja/contest/styly-photogrammetry-award-2019/
募集対象
フォトグラメトリを活用して作成したVRコンテンツを募集します。VR空間を駆使した新たな表現・体験を生み出せるクリエイティブプラットフォーム「STYLY」を使って制作・公開されたVRコンテンツ作品が対象です。
作品の全てをフォトグラメトリで作成する必要はなく、作品の一部にフォトグラメトリが含まれていれば応募可能です。また、制作プロセスにおいてSTYLY以外のツール(3DCG、ゲームエンジン、DAW etc.)を使用することは構いません。発表済みの作品も応募可能です。
STYLY Official Site:https://styly.cc/
スケジュール
・募集期間:2019年5月21日(火)~ 2019年6月30日(日)24:00 (日本時間)
・最終審査結果発表・受賞作品展示会:2019年7月上旬予定
※記事中の写真や諸情報はプレスリリースより引用しています。
※引用元プレスリリース (https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000023281.html)